通信制高校での学習は続く?挫折しないためのポイントと対策を解説

途中で辞めないために!通信制高校で学び続けるためのコツを解説
この記事のポイント
- 通信制高校で挫折しやすい理由と、続いている人がやっている工夫が分かる
- 「学習」「メンタル」「人間関係」それぞれのつまずきポイントと対策が具体的に見える
- 今日からできる”小さな仕組み”の作り方までイメージできる
今日のおさらい:要点3つ
- 通信制で続くかどうかは「仕組み」と「つながり」の有無で決まる
- レポートとスクーリングの”見える化”だけで挫折率は下げられる
- 迷ったら、まずは「一人でやらない仕組み」を1つ作る
この記事の結論
- 一言で言うと「通信制高校で続くコツは、”自分専用の通学制”を作ること」です
- 最も重要なのは、「いつ・どこで・誰と学ぶか」を最初に決めて、週単位でリズムを固定することです
- 失敗しないためには、「完璧な計画」より「崩れても立て直しやすい仕組み」を優先することです
なぜ通信制高校の学習は続きにくいのか
数字と構造から見る「途中で止まりやすい理由」
正直なところ、通信制高校は「自由でラク」というイメージと、「途中でやめてしまいやすい」という現実の両方を持っています。文部科学省の調査や通信制に関する研究では、通信制で学ぶ生徒は、不登校経験や家庭の事情など、多様な背景を抱えていることが指摘されています。
そのうえで、途中で止まりやすい理由は大きく3つです。
学習が続きにくい構造的な理由:
- 通学日が少なく、日常に”学校モード”が入りにくい
- レポートやオンライン課題の締め切りが自己管理に任されている部分が大きい
- 相談できる仲間や先生と会う頻度が、全日制より少なめ
よくあるのが、「気づいたらレポートが山積みになっていた」「スクーリングの予約を先延ばしにしているうちに、気持ちが重くなった」というパターンです。
実は、通信制の難しさは「勉強の内容」より「勉強に向かうまでのハードル」のほうが大きい。ここをどう設計するかで、続くかどうかがほぼ決まります。
実体験① レポート”3ヶ月放置”からの立て直し
取材で出会った通信制高校生の話を紹介します。彼は高校1年の途中で全日制から通信制に転校しました。
転校直後の生活パターン:
- 朝ゆっくり起きる
- 午後に少しだけレポートを書く
- 夜はゲームやSNSで気分転換
ところが、3ヶ月目くらいから、机の上に封筒が増え始めます。提出期限の近いレポートのお知らせ。封筒を開けるたびに、心の中で小さくため息が増えていきました。
気づけば、「今日はいいか」とレポートに手をつけない日が続き、3ヶ月でたまったレポートが20本近く。夜中に「通信制 辞めたい」「通信制 単位 落とした」と検索しては、画面を閉じる、そんな日が続いたそうです。
転機は、スクーリングの日にたまたま話した担任の先生の一言でした。
先生「全部を一気にやろうとするから、しんどいんだよ」
先生「1日1本でいいから、今週は”手をつける”だけにしよう」
そこで彼は、以下のルールを作りました。
- 毎日、夕方17:00~18:00を「レポートタイム」に固定
- 1日1本だけレポートに手をつける(終わらなくてもOK)
- 終わったら、先生に写真を送って「やりました」とLINE報告
結果、1ヶ月で20本のレポートをすべて提出し終え、「完璧じゃなくていいから、”手をつける時間”を決めるのが大事なんだと思いました」と話していました。
よくある挫折パターン3つ
通信制で挫折しやすいパターンは、実はかなり似ています。
パターン1:気分主義で学習を進める
- 「気分が乗ったらやる」スタイル
- 勉強する時間帯が毎日バラバラで、生活リズムも崩れがち
パターン2:優先順位を誤る
- レポートを”締め切り順”ではなく”気分順”で進める
- 好きな科目だけ先にやってしまい、苦手科目が最後に山のように残る
パターン3:孤立して相談が遅れる
- 一人で抱え込み、学校に相談するのが遅れる
- 未提出が増えるほど、自分を責めてしまい、余計に連絡しづらくなる
よくあるのが、「自分は意志が弱い」と決めつけてしまうパターンです。しかし、続かない理由の多くは「意志」ではなく「仕組み」の問題。ここを切り分けて考えるだけでも、少し気が楽になります。
通信制で挫折を防ぐ”仕組み”の作り方
実体験②「ミニ通学制」を自分で作った社会人学生
もう一つ、社会人として働きながら通信制高校に通っていた30代の方の話です。彼は中学卒業後すぐに働き始め、高卒資格を取りたいと考えて通信制に入学しました。
最初の半年の課題:
仕事終わりにヘトヘトで、レポートに手が伸びない日が続きました。夜、テレビをつけたまま気づいたら寝落ちしていて、朝になって机の上のレポート用紙を見て、静かに息を吐く。そんな日が何度も続いたそうです。
そこで彼は発想を変え、「自分用の通学制」を作ることにしました。
- 毎週火曜・木曜は、仕事後にまっすぐ図書館へ行く
- 図書館に着いた時間を「登校時間」としてスマホにメモ
- そこで1時間だけレポートに手をつけたら「下校」して帰る
これだけのルールです。レポートの質より、「火曜と木曜は通学日」という”リズム”を優先しました。
1ヶ月も続けると、「火曜・木曜は家に直帰すると逆に落ち着かない」という状態になってきて、図書館に自動的に足が向くようになったと言います。
「正直なところ、通信制に入る前は”自分は怠け者だ”と思っていたけど、仕組みを変えたら続けられるんだなと分かって、少し自信がつきました」と笑っていました。
続けるための3つのポイント
通信制で学び続けるためのポイントを、あえてシンプルに絞ると次の3つです。
ポイント1:「勉強する時間帯」を固定する
- 朝・昼・夜のどこでもいいので、毎日同じ時間帯に”机に向かうだけ”の時間を決める
ポイント2:レポートとスクーリングを”見える化”する
- カレンダーやアプリで、「いつまでに何本必要か」「スクーリングはいつか」を一覧で見える状態にする
ポイント3:1週間ごとに「できたこと」を振り返る
- できなかったことではなく、「今週提出できた本数」「参加できた授業」を書き出す
ケースによりますが、この3つをやるだけで、「気づいたら手遅れ」がかなり減ります。これは全日制でも役立つ習慣ですが、通信制ではほぼ”生命線”と言ってもいい部分です。
学校や大人のサポートをどう使うか
文科省や自治体の資料でも、通信制高校の課題として「生徒の孤立」「卒業までのフォロー体制」が挙げられています。その一方で、サポートが手厚い通信制・サポート校では、以下のような施策を用意し、卒業率を高めている事例もあります。
- メンター制度(週1回の面談)
- オンライン自習室
- グループワーク型のスクーリング
よくあるのが、「迷惑をかけたくない」と思って、先生やカウンセラーへの相談を先延ばしにするケースです。実は、先生側は”早く相談してもらったほうが助かる”と考えています。
一言でいいので、「レポートがたまってきて焦っている」とだけでも伝えておく。それだけで、学校側のフォローの仕方は変わります。
行動フェーズ:通信制高校で学び続けるために、今できること
こういう人は今すぐ相談すべき
以下のいずれかに該当する場合は、「様子を見る」のをやめて、今日か明日中に学校へ相談したほうがいいです。
- 今すでに、未提出レポートが10本以上たまっている
- スクーリングの日程を何度も先延ばしにしている
- 保護者として、子どもが最近レポートや授業の話をほとんどしなくなった
文書や電話がハードルなら、メールや学校のチャットツールで「話を聞いてほしい」と一文送るだけでも十分です。
この状態ならまだ間に合う
以下のような段階にあれば、まだ十分な余裕があります。
- レポートは少したまっているが、まだ「何とか追いつけそう」と感じている
- 勉強のリズムが安定しないが、完全に崩れているわけではない
- 通信制への転校・入学を考えていて、「続けられるか」が一番不安
この段階なら、今から”自分専用の仕組み”を作れば、挫折しない確率をかなり上げられます。
迷っているなら「1週間だけの実験」をする
迷っているなら、まず「1週間だけの実験」をしてみてください。
1週間の実験ルール:
- 毎日同じ時間(たとえば20:00~20:30)に机に座る
- その時間は、レポート・教科書・オンライン授業のいずれかに必ず1回触る
- 終わったら、カレンダーに〇印をつける
完璧にできなくても構いません。3日続いたら、それだけで十分。1週間のうち4日以上できたら、「自分はやればできる側なんだ」と認めてしまっていいレベルです。
実は、続けるコツは「モチベーション」ではなく「リズム」。モチベーションは日によって変わりますが、リズムは一度作ればクセになります。
よくある質問(FAQ)
Q1:通信制高校の卒業率はどれくらいですか?
学校やサポート体制によって差があります。入学前に「過去数年の卒業率」を必ず確認するのが安全です。
学校ごとの卒業率は40~90%と幅が大きいため、「サポート体制の充実度」と「卒業率の実績」は同時にチェックする必要があります。
Q2:アルバイトと両立しながらでも卒業できますか?
できます。ただし、週の労働時間が多すぎるとレポートが溜まりやすくなるので、最初は週3~4日・1日4~5時間程度から調整するのがおすすめです。
働きながら卒業した人の多くは、最初の1~2年は勤務時間を抑えめにしておき、学習リズムが安定してから少しずつ増やすパターンを採用しています。
Q3:通信制は全日制より学力が低くなりませんか?
学力は通学形態より「学習時間と教材の質」の影響が大きいです。進学実績のある通信制は、進路指導と学習サポートを組み合わせて学力を伸ばしています。
むしろ、目的意識を持って入学した生徒が多い通信制では、志望校合格率が高い学校も珍しくありません。
Q4:家で集中できないときはどうすればいいですか?
図書館・カフェ・自習室など、「外で勉強する場所」を1つ決めるのがおすすめです。週2~3回だけでも”外で勉強する日”を作ると、メリハリがつきます。
特に朝の図書館やカフェは、同じ勉強している人がいるので、自然とモチベーションが上がるという体験者の声も多いです。
Q5:やる気が出ないときは休んでもいいですか?
休む日があるのは普通です。ポイントは「休むと決めた日」と「少しだけ手をつける日」を自分の中で分けることです。
完全に休む日を作るのではなく、「今日は5分だけ」「今日は1本だけ」といった「ミニマム版」を作ることで、リズムの途切れを防げます。
Q6:保護者として、どこまで口を出していいのか分かりません
「今日何本やった?」ではなく、「今週、何か手伝えることある?」と聞くのがおすすめです。責めるのではなく、環境づくりを一緒に考えるスタンスが続きやすさにつながります。
親子で一緒に「週のスケジュール表」を作成したり、「土曜の午前は図書館に行く日」と決めるなど、生徒と親が共に仕組みづくりに参加することが効果的です。
Q7:途中で辞めたくなったらどうすればいいですか?
辞めるかどうかを決める前に、「何がつらいのか」を紙に書き出してみてください。そのうえで、先生・カウンセラー・家族など第三者と一度共有してから決めるのがおすすめです。
多くの場合、「辞めたい」と思う時期は一時的で、仕組みを変えたり相談を受けたりすることで気持ちが変わります。一度の感情で決断するのではなく、複数人に話すプロセスを大事にしましょう。
まとめ
- 通信制高校で学び続けられるかどうかは、「意志の強さ」ではなく「仕組み」と「つながり」で決まる部分が大きいです
- レポートとスクーリングの”見える化”と、「毎日同じ時間に机に向かうリズム」を作るだけで、挫折のリスクはかなり下げられます
- 一人で抱え込まず、先生・家族・友人を巻き込んだ”ミニ通学制”を自分の生活の中に作ることが、続けるための一番の近道です
要点をあらためて整理すると、
- 通信制で続けるコツは「時間・場所・人」の3つをあらかじめ決めておくこと
- 未提出が増えたときほど、早めに学校へ相談したほうが立て直しやすい
- 迷ったら、まずは1週間だけ”同じ時間に机に向かう”実験をしてみる
そしてもし今、夜中に「通信制 続かない」「通信制 挫折」と何度も同じ言葉を検索してしまっているなら、今日は検索をいったん閉じて、カレンダーに「明日の15分だけレポートに手をつける」と書いてみてください。
その小さな予定が、半年後・1年後も通信制で学び続けているあなたへの、最初の一歩になります。
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