兵庫県神戸市から全国へ。マイスター高等学院を支える運営団体の想いと、未来を担う人材育成の実践

こんにちは。マイスター高等学院です。
私たちは、高校卒業資格を取得しながら、現場で本当に必要とされる専門技術を学べる教育機関です。今回は、私たちマイスター高等学院を支える運営団体である「一般社団法人マイスター育成協会」の活動内容や理念について、詳しくお伝えしたいと思います。
なぜこの学院が生まれたのか。どのような組織が運営しているのか。そして、卒業後にどのような企業で働くことができるのか。これらの疑問に、できるだけわかりやすくお答えしていきます。
マイスター育成協会とは?神戸から発信する人材育成の拠点
私たちマイスター高等学院の教育活動を支える中核組織が、一般社団法人マイスター育成協会です。この協会は、日本の重要な商業・港湾都市である兵庫県神戸市に拠点を置いています。
協会の所在地は、〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-2-19-503です。神戸の中心部に位置するこの場所から、日本全国に広がる私たちのネットワークと、未来を担う人材育成の取り組みが発信されています。
お問い合わせは、078-381-5884までお電話いただければ対応いたします。
マイスター育成協会は、私たちマイスター高等学院全体の教育システムの基盤を提供する組織です。ただし、重要な点として、協会自体は就職・転職のあっせんを行っていません。生徒の皆さんの進路は、学校を運営する企業や提携企業を通じて確保される仕組みになっています。
協会は定期的な活動も行っており、2024年12月11日には第二回総会が開催されました。このような活動を通じて、学院全体の運営方針や進捗を確認し、教育の質を高める取り組みを続けています。
私たちの学校は、マイスター育成協会に正会員として参画した各企業が、それぞれ独立した学校として運営しています。つまり、全国にある各校は、それぞれの地域で活躍する企業が実際に運営しているのです。これにより、現場のニーズに直結した実践的な教育を提供できる体制が整っています。
「日本を守る人材育成」私たちの教育哲学と使命
私たちマイスター高等学院は、明確な目的を持って設立されました。それは「日本を守る人材育成の場とすること」です。
現代の日本社会は、深刻な課題に直面しています。特に地域産業を担う労働者不足が加速しており、このままでは地域の産業が衰退してしまう恐れがあります。大工、製造業、福祉・介護、農業、飲食業など、私たちの暮らしを支える現場では、技術を持った人材が不足しているのです。
私たちは、この課題を解決するために生まれました。ただ技術を教えるだけではありません。私たちが育成するのは、技術に加えて「志と人間力」を身につけた現場実務者、すなわち「マイスター」です。
マイスターとは、単なる技術者ではありません。自分の仕事に誇りを持ち、社会に貢献する意識を持ち、人としても成長し続ける人材のことです。技術は確かに大切です。しかし、技術だけでは真のプロフェッショナルにはなれません。なぜその仕事をするのか、誰のために働くのか、どのように社会に貢献するのか。こうした「志」と、人として信頼される「人間力」があって初めて、本当の意味での職人、つまりマイスターになれるのです。
私たちの教育は、社会に出て大きな活躍ができるための実践的な内容になっています。生徒の皆さんは、現場で必要とされる具体的な技術を、実際に働きながら習得していきます。
そして重要なのは、この教育を受けながら、同時に高校卒業資格も取得できることです。これは通信制高校との連携によって実現されています。つまり、専門技術を学びながら、高校の勉強もしっかりとこなし、卒業時には高校卒業資格と専門技術の両方を手にすることができるのです。
働きながら学ぶ。私たちの独自キャリア構築モデル
私たちマイスター高等学院の最大の特徴は、「働きながら学ぶ」という独自のシステムです。
一般的な高校では、勉強だけをして卒業してから就職します。しかし、私たちの学校は違います。生徒の皆さんは入学と同時に、3年間の有期雇用契約を結びます。つまり、学生であると同時に、企業の従業員でもあるのです。
このシステムには大きなメリットがあります。まず、実際の現場で働くことで、教科書では学べない生きた技術や知識を身につけることができます。現場には、先輩たちが長年培ってきたノウハウがたくさん詰まっています。そうした実践的な技術を、毎日の仕事の中で自然と吸収していけるのです。
また、働きながら学ぶことで、社会人としての基本的なマナーや責任感も身につきます。時間を守る、報告・連絡・相談をする、チームで協力する。こうした社会人としての基礎力は、実際に働く環境の中でこそ本当に身につくものです。
さらに、給料をもらいながら学べることも大きな利点です。経済的な負担を軽減しながら、技術と資格を手に入れることができます。
そして何より重要なのが、卒業後の進路です。私たちの学校を卒業した後は、学院を運営する企業に正社員として転換就職することになります。つまり、3年間働きながら学んだ企業で、そのまま正社員として働き続けることができるのです。
これは大きな安心につながります。一般的には、高校や専門学校を卒業してから就職活動をしなければなりません。しかし、私たちの生徒は、入学時点で卒業後の就職先が決まっているようなものです。3年間、その企業で技術を学び、人間関係を築き、会社のことを理解してから正社員になれるのですから、ミスマッチのリスクも少なくなります。
このように、入学から卒業、そして正社員への転換まで、一貫したキャリアパスが用意されています。これが私たちの独自のキャリア構築モデルです。
未来創造企業とは?生徒の皆さんが働く企業の特徴
私たちマイスター高等学院の生徒が卒業後に就職するのは、「未来創造企業」に認定された企業です。では、未来創造企業とは何でしょうか。
未来創造企業とは、本業の発展のみならず、本業を通じて継続的な社会問題の解決を事業目的に掲げる企業のことです。つまり、単にお金を稼ぐだけでなく、その事業活動を通じて社会をより良くすることを目指している企業なのです。
もう少し詳しく説明しましょう。普通の企業は、自社の利益を最優先に考えます。もちろん、それは企業として当然のことです。しかし、未来創造企業は違います。利益を追求しながらも、同時に社会の課題を解決することを目指しているのです。
例えば、高齢化が進む地域で介護事業を展開しながら、地域のお年寄りが安心して暮らせる環境を作る。地元の食材を使った飲食業を営みながら、地域の農業を支える。建築業を営みながら、地域の住環境を改善する。このように、ビジネスと社会貢献を両立させることを目指しているのが未来創造企業です。
そして、未来創造企業は、生み出した利益を従業員などへ適切に分配・再投資することで、企業の持続的な発展に努めています。つまり、従業員を大切にし、働きやすい環境を整えることにも力を入れているのです。
この未来創造企業の認定を行っているのは、一般社団法人未来創造企業研究所です。認定を受けるためには、以下の3つの項目において一定の基準をクリアしなければなりません。
- 福利厚生
- 就業条件
- 労働環境
つまり、従業員が安心して働ける制度や環境が整っているかどうかが、厳しくチェックされるのです。この認定制度により、私たちの卒業生は、社会貢献が実現でき、かつ安心して働ける会社に就職することができます。
SSCとしての価値。3つの価値で社会を支える企業
未来創造企業は、SSC(サスティナブル・ソーシャル・カンパニー)とも呼ばれます。これは「持続可能で社会的な企業」という意味です。
未来創造企業が目指す価値は、3つの要素で構成されています。少し専門的な内容になりますが、大切なことなので詳しく説明します。
まず1つ目は「社会的価値(公益)」です。公益とは、特定の個人や組織のためではなく、広く社会全体に対して効果や影響が及ぶ価値のことです。例えば、環境保護活動や地域の雇用創出など、社会全体が良くなる取り組みがこれに当たります。
2つ目は「関係主体幸福度(共益)」です。これは、企業と関わる人たち、つまり従業員、お客様、取引先などの幸福度のことです。重要なのは、企業が一方的に価値を提供するだけでなく、双方向的な関係性の中で、お互いに幸福度を高め合うことを目指している点です。
3つ目は「社会・経済的価値(私益)」です。これは、企業が経営理念やビジョンに従って経営を行うことで生み出される価値です。企業が成長し、利益を上げることも、従業員の生活を支え、社会に貢献し続けるためには必要なことです。これを「未来創造益」と呼んでいます。
この3つの価値、つまり「公益」「共益」「私益」のバランスを取りながら経営することで、企業は社会貢献と経済的持続可能性を両立させることができるのです。
未来創造企業認定がもたらす企業の魅力
では、未来創造企業に認定されると、企業にとってどのような価値があるのでしょうか。3つの大きな価値について説明します。
まず1つ目は「第三者評価による信頼性の確立」です。企業が自分たちで「良い会社です」と言うだけでは、なかなか信用してもらえません。しかし、第三者機関が客観的に評価して認定することで、地域や社会からの信頼が高まります。これにより、お客様、取引先、従業員など、企業に関わる全ての人たちが、その企業の価値を改めて確認し、認識することができるのです。
2つ目は「21世紀型企業としての認知」です。未来創造企業は、7つの分野の指標に基づいて評価されています。地球環境、社会、地域、顧客、取引先、従業員(家族)、経営者という7つの視点から、多角的に企業活動が評価されるのです。
この評価により、その企業が社会課題を生み出さず、むしろ社会課題解決を軸として経営を行っていることが認知されます。これは、これからの時代に求められる企業の姿です。未来創造企業として認定されることで、企業は誇りを持って活動できるようになります。
3つ目は「企業力アップと持続可能な経営」です。関わる人たちとの信頼が深まることで、企業は持続可能な経営を行うことができます。その結果、社員の幸福度が高まり、生産力が増し、働きたい企業としての価値が高まります。これが、採用や定着率の向上につながるのです。
私たちの卒業生がこのような環境に就職できることは、単に仕事を得るだけでなく、社会的価値の高い組織の一員になることを意味しています。
現在の状況と2026年に向けて
ここで、私たちマイスター高等学院の現在の状況についてお話しします。
私たちは2025年時点で開校から3年目を迎えています。まだ新しい学校ですので、現時点ではまだ卒業生はいません。初の卒業生が世に送り出されるのは、2026年4月の予定です。
現在、生徒が在籍しているのは大工コースのみです。設立当初から、大工以外にも製造業、福祉・介護、農業、飲食業など、幅広い分野でのマイスター育成を目指していますが、農業その他のコースについては来年以降の開校を予定しています。
まずは大工コースでしっかりとした実績を作り、そこで得たノウハウを活かして、他の分野にも展開していく計画です。
私たちの教育活動は、地域社会とも連携しながら進めています。例えば、2024年12月23日には、中学校で出張体験授業を行い、参加した中学生から感想とお礼状をいただきました。中学生の皆さんに、実際の職人の技術や仕事の魅力を伝えることができたことは、私たちにとっても大きな喜びでした。
また、私たちの授業では、技術だけでなく人間力を育てることも重視しています。その一環として、YouTubeの『論語物語』を推奨教材として活用しています。論語は、2500年以上前の中国の思想家、孔子の教えをまとめたものです。そこには、人としてどう生きるべきか、どのように人と接するべきかといった、時代を超えて大切な教えが詰まっています。
技術を磨くことと同時に、こうした古典的な知恵を学ぶことで、生徒の皆さんは人間としても成長していきます。これが、私たちが目指す「志と人間力を持ったマイスター」の育成につながるのです。
2026年4月、私たちは初めての卒業生を送り出します。3年間、働きながら学び、技術と人間力を磨いてきた彼らが、未来創造企業の正社員として新たな一歩を踏み出す瞬間を、私たちは心から楽しみにしています。
神戸から未来へ。地域産業を支える人材を育て続ける
兵庫県神戸市に拠点を置く私たちマイスター育成協会とマイスター高等学院は、通信制高校との連携によって高校卒業資格を確保しながら、労働者不足が深刻化する日本の地域産業に対して、技術と志と人間力を兼ね備えた現場実務者を送り出すためのプラットフォームを提供しています。
私たちの教育システムは、生徒が3年間の有期雇用契約で働きながら学ぶという、実践的な経験を核としています。そして卒業後は、厳しい基準をクリアした未来創造企業に正社員として転換就職する道筋が用意されています。
これは単なる職業訓練ではありません。事業を通じた継続的な社会課題の解決を目指す未来創造企業の理念と深く結びついた教育活動です。私たちは、21世紀の日本社会に必要な、公益・共益・私益のバランスを取れた人材を育成しています。
2026年4月に控える初の卒業生輩出に向けて、神戸の地から、私たちは日本の未来を支える次世代の職人を送り出すという重要な使命を果たし続けます。
もし、働きながら学び、確かな技術と人間力を身につけたいとお考えでしたら、ぜひ私たちマイスター高等学院にご連絡ください。あなたの未来への第一歩を、私たちが全力でサポートします。
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