マイスター高等学院が目指す教育の形:働きながら学び、確実な未来を築く新しい学びのスタイル

はじめに:地域産業を支える人材を育てる使命

こんにちは。マイスター高等学院です。

私たちの学院は、日本の地域産業が直面している大きな課題である「労働者不足」を解決するために設立されました。大工、製造業、福祉、介護、農業、飲食業など、私たちの生活を支える現場で働く人材が不足しています。この問題を解決するために、私たちは実践的な技術と「志と人間力」を兼ね備えた現場実務者、つまり「マイスター」を育成することを目的としています。

マイスターとは、単に技術を持っているだけでなく、仕事への誇りと人間性を持ち合わせた職人のことです。私たちは、そんなマイスターを育てることで、地域産業の未来を守り、社会全体に貢献していきたいと考えています。

本記事では、2024年12月11日に開催された一般社団法人マイスター育成協会の第二回総会の報告を交えながら、マイスター高等学院の教育内容や特徴、そして私たちが大切にしている理念についてお伝えします。

第二回総会の開催:私たちの活動が着実に前進しています

2024年12月11日、私たちが所属する一般社団法人マイスター育成協会の第二回総会が開催されました。

この総会は、協会の活動の進捗状況を確認し、今後の方向性を共有する重要な場です。マイスター高等学院は、協会に正会員として参画している各企業が、それぞれの専門分野で独立した学校として運営しています。総会では、各学院の運営企業が集まり、共通の目標である「地域産業を担う人材育成」というミッションを再確認しました。

私たちの活動は、単なる教育事業ではありません。事業を通じて継続的に社会課題を解決することを第一の目的としています。総会は、その使命を改めて確認し、次のステップへ進むための大切な節目となりました。

現在、マイスター高等学院は開校から3年目を迎えています。生徒がいるのは大工コースのみですが、将来的には農業をはじめとする多様な地域産業分野での開校を予定しています。そして、2026年4月には記念すべき第1号の卒業生が誕生する予定です。

マイスター高等学院の革新的な教育モデル:働きながら学ぶという選択

3年間の有期雇用契約で経済的な不安を解消

マイスター高等学院の最大の特徴は、「働きながら学ぶ」という教育スタイルです。

一般的な高校や専門学校では、学費を支払いながら学び、卒業後に就職活動を行います。しかし、私たちの学院では、入学と同時に3年間の有期雇用契約を結びます。つまり、生徒は入学した瞬間から「働く人」としてスタートするのです。

この仕組みにより、生徒は経済的な基盤を持ちながら実践的な教育を受けることができます。学費の心配をすることなく、安心して技術と知識を身につけられる環境が整っています。

例えば、大工コースの生徒は、実際の建築現場で先輩職人から直接指導を受けながら、建築の技術を学びます。教科書で学ぶだけでなく、実際に木材に触れ、道具を使い、建物が完成していく過程を体験することで、より深い理解と技術が身につきます。

高等学校卒業資格も同時に取得できる

技術習得だけでなく、高等学校の卒業資格も取得できる点も大きな特徴です。

私たちは通信制高校と連携しており、生徒は専門技術を学びながら、並行して高校卒業に必要な単位を取得していきます。これにより、「手に職をつけたいけれど、高校卒業の資格も欲しい」という両方の希望を叶えることができます。

高校卒業資格は、将来のキャリアの選択肢を広げる上で重要です。もし将来、別の分野に挑戦したいと思ったときや、さらに上の資格を目指したいと考えたときに、高校卒業資格があることで道が開けます。

技術だけでなく「志と人間力」を育む教育

マイスター高等学院では、技術の習得だけでなく、「志と人間力」の育成も重視しています。

志とは、自分が何のために働くのか、どんな職人になりたいのかという目標や夢のことです。人間力とは、コミュニケーション能力や責任感、思いやりなど、社会で生きていく上で必要な人間としての力のことです。

私たちの授業では、YouTubeの「論語物語」を活用しています。論語は、中国の思想家である孔子の教えをまとめたもので、人としてどう生きるべきか、どのように仕事に向き合うべきかを学ぶことができます。

例えば、論語には「巧言令色、鮮し仁」という言葉があります。これは「口先だけが上手で、表面だけを取り繕う人には、真の思いやりの心が少ない」という意味です。このような教えを通じて、生徒たちは技術だけでなく、職人としての心構えや人間性も磨いていきます。

実際の現場では、技術だけでなく、お客様とのコミュニケーションやチームワークも非常に重要です。どんなに技術が優れていても、人間性が伴わなければ、信頼される職人にはなれません。だからこそ、私たちは技術と人間性の両方を育てることを大切にしています。

卒業後の進路:正社員転換という確実なキャリアパス

就職活動の不安がない安心のシステム

マイスター高等学院の生徒が目指すのは、卒業後の不安定な就職活動ではありません。

一般的な学校では、卒業してから就職活動を始め、内定をもらえるかどうか不安な日々を過ごします。しかし、私たちの学院では、卒業後に学院を運営する企業に正社員として転換することを目標としています。

つまり、入学時から卒業後の進路が明確になっているのです。3年間、働きながら学び、技術と人間性を身につけた生徒は、卒業と同時に正社員として新たなスタートを切ることができます。

このシステムにより、生徒は「卒業後に仕事が見つかるだろうか」という不安を抱えることなく、安心して学びに集中できます。また、保護者の方々にとっても、お子さんの将来が安定していることは大きな安心材料となるでしょう。

提携企業への就職も選択肢に

学院を運営する企業への正社員転換が基本ですが、当校と提携している企業への就職も選択肢として用意されています。

私たちは、生徒一人ひとりの適性や希望を考慮し、最適なキャリアパスを提案します。3年間の学びの中で、自分がどんな仕事に向いているのか、どんな職場環境で働きたいのかが見えてくることもあります。そうした場合には、提携企業の中から、生徒に最も合った就職先を紹介することも可能です。

未来創造企業認定:安心して働ける企業であることの証明

第三者評価による信頼性の担保

マイスター高等学院は、「未来創造企業」に認定された企業が各地で運営しています。

未来創造企業とは、本業の発展だけでなく、本業を通じて継続的に社会問題の解決を目指す企業のことです。この認定は、一般社団法人未来創造企業研究所が行う第三者評価であり、認定要件は非常に厳格です。

具体的には、福利厚生、就業条件、労働環境など、一定の基準をクリアした企業のみが認定されます。つまり、未来創造企業の認定を受けているということは、「社会貢献が実現でき、安心して働ける会社」であることの証明なのです。

これは、生徒やその家族にとって非常に重要なポイントです。就職先が本当に良い企業なのか、長く働き続けられる環境なのかは、外部から判断するのが難しいものです。しかし、第三者機関による評価があることで、客観的な信頼性が担保されます。

7分野の指標で評価される健全な経営

未来創造企業は、「地球」「社会」「地域」「顧客」「取引先」「従業員(家族)」「経営者」の7分野の指標に基づいて評価されています。

これは、企業が単に利益を追求するだけでなく、環境への配慮、社会への貢献、地域とのつながり、顧客満足、取引先との公正な関係、従業員の幸福、経営者の倫理観など、多角的な視点から健全な経営を行っていることを示しています。

例えば、「従業員(家族)」という項目では、従業員が安心して働ける労働環境が整っているか、ワークライフバランスが保たれているか、家族も含めた幸福度が高いかなどが評価されます。

このような企業で働くことができるからこそ、マイスター高等学院の卒業生は、長期的に安定したキャリアを築くことができるのです。

私たちが大切にする「共益」という考え方

双方向の価値提供で生まれる幸福

マイスター高等学院の教育モデルの根底には、「共益」という考え方があります。

共益とは、個人や組織が互いに価値を提供し合うことで、双方の幸福度が高まるという考え方です。一方的に与えるだけ、あるいは受け取るだけではなく、お互いがお互いのために貢献することで、より大きな価値が生まれます。

私たちの場合、生徒は安定したキャリアと経済的な基盤、そして高等学校卒業資格と専門技術という価値を得ます。一方、企業は将来の持続的な発展に不可欠な優秀な人材を得ることができます。

この双方向の価値提供により、生徒も企業も幸福度が高まり、理想的な循環が生まれるのです。

公益・共益・私益の三つの価値

私たちが目指しているのは、「公益」「共益」「私益」という三つの価値を統合的に高めることです。

公益とは、広く社会全体に対して効果が及ぶ価値のことです。私たちが地域産業の労働者不足を解決することは、社会全体の利益につながります。

共益については先ほど説明した通り、生徒と企業の双方が幸福度を高める価値です。

私益とは、企業の継続・成長に必要な経済的な達成度のことです。共益が高まることで従業員の幸福度や生産力が増し、結果として企業の持続的な発展に貢献します。

これら三つの価値をバランスよく高めることで、持続可能な社会を創ることができると私たちは信じています。

2026年4月、第1号卒業生の誕生に向けて

新しい教育モデルの成果が間近に

2026年4月、マイスター高等学院から記念すべき第1号の卒業生が誕生します。

開校から3年間、私たちは生徒と共に歩んできました。働きながら学ぶというこの新しい教育モデルが、どのような成果を生み出すのか、私たちも大きな期待を持っています。

卒業生たちは、3年間の実践的な経験と、通信制高校で学んだ知識、そして論語などを通じて培った人間性を持って、正社員として新たなスタートを切ります。彼らが現場で活躍する姿を見ることが、私たちの最大の喜びです。

将来の展望:多様な分野への展開

現在は大工コースのみですが、将来的には農業をはじめとする多様な地域産業分野での開校を予定しています。

日本の地域産業は、どの分野でも人材不足に悩んでいます。私たちは、マイスター高等学院の教育モデルを様々な分野に展開することで、より多くの地域産業を支え、より多くの若者に安定したキャリアパスを提供したいと考えています。

農業であれば、農業技術と経営の知識を学びながら、高校卒業資格も取得できます。福祉や介護の分野であれば、専門的なケア技術と、人を思いやる心を育てます。

どの分野においても、「働きながら学び、確実な未来を築く」という私たちの理念は変わりません。

おわりに:地域産業の未来を共に創る

マイスター高等学院は、単なる教育機関ではありません。

私たちは、地域産業の未来を守り、若者たちに確実なキャリアパスを提供し、持続可能な社会を創るという使命を持って活動しています。

3年間の有期雇用契約、高等学校卒業資格の取得、技術と人間力の育成、そして卒業後の正社員転換という一連のシステムは、どれも生徒の幸福と社会の発展を同時に実現するために設計されています。

2024年12月11日に開催された第二回総会を経て、私たちの活動は新たな段階に入りました。2026年4月の第1号卒業生の誕生を目前に控え、私たちはこれからも地域産業を支えるマイスターの育成に全力で取り組んでまいります。

もし、あなたが手に職をつけたい、働きながら学びたい、確実な未来を築きたいと考えているなら、マイスター高等学院は最適な選択肢の一つかもしれません。

私たちと共に、地域産業の未来を創っていきませんか。

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