高校時代からプロとしてのキャリアを積む:マイスター高等学院の3年間有期雇用契約が実現する新しい教育のかたち

はじめに:高校生活が「学び」と「働く」を同時に実現する時代へ

「高校を卒業してから就職活動をする」という従来の流れに、不安を感じている中学生や保護者の方は少なくありません。就職先が見つかるのか、自分に合った仕事を選べるのか、そもそも社会で通用するスキルが身につくのか。そんな悩みに対して、マイスター高等学院は全く新しい解決策を提示しています。

それが、入学と同時に始まる「3年間の有期雇用契約」です。

この契約は、生徒が高校生活を送りながら、実際の企業で働き、収入を得て、プロとしての技術を磨いていくという、これまでの教育の常識を覆すシステムです。単なるアルバイトではなく、卒業後の正社員雇用を前提とした、計画的なキャリア形成の第一歩となります。

本記事では、この3年間の有期雇用契約がどのような仕組みで、生徒にどんなメリットをもたらすのか、そして私たちマイスター高等学院がどのような企業と提携し、信頼できる教育環境を提供しているのかについて、詳しくご紹介します。

第1章:3年間の有期雇用契約とは何か―働きながら学ぶ仕組みの全貌

入学と同時に「社会人」としてのスタートを切る

マイスター高等学院に入学した生徒は、学院を運営する企業と3年間の有期雇用契約を結びます。これは法的にも正式な雇用契約であり、生徒は「従業員」として企業に所属することになります。

従来の通信制高校や職業訓練校では、「職場体験」や「インターンシップ」という形で短期間の現場経験を積むことはありました。しかし、マイスター高等学院の有期雇用契約は、それとは全く異なります。生徒は3年間という長期にわたって、一つの企業で継続的に働き続けることで、技術と人間性の両面を深く磨いていくのです。

収入を得ながら技術を身につける二重のメリット

この有期雇用契約の最大の特徴は、生徒が「収入を得ながら」学べるという点です。

通常の高校生活では、学費や生活費は保護者が負担するのが一般的です。しかし、マイスター高等学院の生徒は、働くことで収入を得ることができるため、経済的な自立の第一歩を踏み出すことができます。もちろん、この収入は生活費の足しにすることもできますし、将来のための貯蓄に回すこともできます。

さらに重要なのは、この「働く」という行為が、単にお金を稼ぐためだけのものではないということです。生徒は現場での実務を通じて、特定の産業分野における確かな技術を習得していきます。現在、当学院では大工コースを開講しており、生徒は実際の建築現場で木材の扱い方、道具の使い方、そして建築の基礎から応用までを、プロの職人から直接学んでいます。

「志と人間力」を育む実践的な環境

マイスター高等学院が目指すのは、単に技術を持った職人を育てることではありません。私たちが育成したいのは、技術と同時に「志と人間力」を兼ね備えた「マイスター」です。

有期雇用契約に基づく実務経験は、この人間力を養うための最高の環境となります。現場で働く中で、生徒は上司や同僚、そしてお客様といった様々な人々と関わることになります。その中で、組織の中での協調性、円滑なコミュニケーション能力、そして仕事に対する責任感や倫理観が自然と身についていくのです。

例えば、当学院の授業では、YouTubeの「論語物語」を活用して、古典的な教養や人としてのあり方についても学びます。現場での実践と、こうした精神的な学びを組み合わせることで、技術だけでなく、人としての成長も促していくのが、マイスター高等学院の教育方針です。

卒業後の進路が明確―不安のないキャリア形成

従来の高校では、卒業が近づくと就職活動や進学活動に追われることになります。しかし、マイスター高等学院の生徒には、そのような不安がありません。

なぜなら、3年間の有期雇用契約を結んでいる企業に、卒業後は正社員として転換することが前提となっているからです。つまり、高校入学時から卒業後の就職先が決まっており、3年間はその企業で働くための準備期間となるのです。

この「一貫したキャリア」は、生徒に大きな安心感を与えます。就職活動のストレスや、将来への漠然とした不安を抱えることなく、目の前の技術習得と成長に集中できる環境が整っているのです。

第2章:提携先「未来創造企業」が保証する働く環境の質

未来創造企業とは何か―第三者評価を受けた優良企業

マイスター高等学院が提携しているのは、ただの企業ではありません。「未来創造企業」として認定された、厳しい基準をクリアした優良企業です。

未来創造企業とは、一般社団法人未来創造企業研究所(JFR)が第三者評価の立場から客観的に審査し、認定している企業のことを指します。この認定制度は、企業が自ら「優良です」と宣言するものではなく、独立した第三者機関が客観的な基準に基づいて評価するという点で、非常に信頼性の高いものです。

認定を受けるためには、以下の3つの分野で一定の基準をクリアすることが求められます。

  1. 福利厚生の充実
  2. 就業条件の適正さ
  3. 労働環境の安全性と快適性

これらの基準は、単に法律を守っているというレベルではなく、従業員が長期的に安心して働き続けられる環境が整っているかどうかを厳しく審査するものです。

なぜ第三者評価が重要なのか

企業が自社の良さをアピールすることは珍しくありません。しかし、それが本当に信頼できるものなのかを判断するのは難しいものです。

その点、第三者評価を受けているということは、客観的な視点から企業の質が保証されているということです。地域や社会からの信頼を高め、従業員や顧客といった関係者が企業の価値を改めて確認できるという点で、この第三者評価は非常に重要な意味を持ちます。

マイスター高等学院の生徒が働く企業は、すべてこの未来創造企業の認定を受けています。つまり、生徒は高校時代から、社会的に優良な環境で働く経験を積むことができるのです。

社会課題解決を目的とする企業理念

未来創造企業は、単に利益を追求するだけの企業ではありません。これらの企業は、本業を通じて継続的に社会問題の解決に取り組み、明るく持続可能な社会を構築することを事業目的の第一に掲げています。

例えば、建設業界では高齢化と人手不足が深刻な問題となっています。未来創造企業として認定された建設会社は、若い世代の育成に積極的に取り組み、技術の継承と業界の活性化を目指しています。また、福祉や介護の分野では、質の高いサービスを提供しながら、働く人々の労働環境の改善にも力を入れています。

マイスター高等学院の生徒は、こうした社会的使命を持つ企業の一員として働くことで、単なる技術者ではなく、社会に貢献する人材として成長していきます。これは、当学院の設立目的である「日本を守る人材育成の場とすること」という理念にも直結しています。

企業と個人の双方向的な価値提供

未来創造企業が目指すのは、企業と従業員が一方的な関係ではなく、双方向的に価値を提供し合う関係です。これを「共益」に係る幸福度、すなわち「関係主体幸福度」と呼んでいます。

従来の企業では、従業員は労働力を提供し、企業はその対価として給与を支払うという、シンプルな関係でした。しかし、未来創造企業では、従業員の成長や幸福も企業の重要な目標とされています。従業員が技術を磨き、人間的に成長し、充実した人生を送ることが、結果的に企業の発展にもつながるという考え方です。

マイスター高等学院の生徒は、この理念を体現する企業で働くことで、単に「働かされる」のではなく、自分自身の成長と企業の発展が一致する環境を経験します。これは、将来どのような職場で働くことになっても、非常に貴重な経験となるでしょう。

第3章:運営体制の透明性と持続可能性

一般社団法人マイスター育成協会の役割

マイスター高等学院は、一般社団法人マイスター育成協会に正会員として参画した各企業が、それぞれ独立した学校として運営しています。

この協会は、マイスター育成という共通の理念を共有し、教育の質を維持するための基盤を整備する役割を担っています。各企業が独立して学校を運営しながらも、協会を通じて情報共有や相互支援を行うことで、教育システム全体の質を高めています。

2024年12月11日には第二回総会が開催されるなど、協会の活動は継続的かつ組織的に行われています。このような組織的な基盤があることで、単独の企業では実現が難しい教育システムを、持続可能な形で提供できているのです。

就職あっせんとの明確な違い

マイスター育成協会自体は、就職や転職のあっせんは行っていません。この点は非常に重要です。

一般的な職業訓練校や就職支援サービスでは、卒業後に様々な企業を紹介するという形態をとることが多いです。しかし、マイスター高等学院では、生徒のキャリアは外部のあっせんサービスに依存していません。

生徒は、入学時に有期雇用契約を結んだ企業で3年間働き、その実績と信頼関係に基づいて、卒業後に正社員として転換します。つまり、学生時代の実務経験が、そのまま卒業後のキャリアにつながる一貫したプロセスが保証されているのです。

この仕組みにより、生徒は「どこかに就職できるかもしれない」という不確実性ではなく、「この企業で働き続ける」という明確な目標を持って、3年間の学びに取り組むことができます。

透明性の高い情報開示

私たちマイスター高等学院は、新しい教育モデルだからこそ、透明性の高い情報開示を重視しています。

当学院は2025年時点で開校から3年目を迎えており、まだ卒業生はいません。第一期生の卒業は2026年4月の予定です。この事実を正直にお伝えするのは、検討されている皆様に公正な判断材料を提供するためです。

新しい取り組みであるからこそ、これから実績を積み上げていく段階にあります。しかし、その分、私たちは一人ひとりの生徒に対して丁寧に向き合い、確実に技術と人間力を育てていくことに全力を注いでいます。

第4章:3年間の有期雇用契約がもたらす具体的なメリット

経済的自立への第一歩

高校生が収入を得るというのは、単にお金が手に入るということ以上の意味があります。

自分の労働が対価として評価されるという経験は、自己肯定感を高め、社会の一員としての自覚を促します。また、収入を管理することで、お金の使い方や貯蓄の大切さを実践的に学ぶこともできます。

保護者の方にとっても、経済的な負担が軽減されるというメリットがあります。一般的な高校では学費がかかりますが、マイスター高等学院では生徒が収入を得ることで、家計への負担を抑えることができます。

専門性の早期確立

3年間という期間は、一つの分野の専門性を確立するには十分な時間です。

例えば、大工コースでは、基礎的な道具の使い方から始まり、木材の特性の理解、設計図の読み方、そして実際の建築作業まで、段階的に技術を習得していきます。1年目は見習いとして先輩職人の仕事を手伝いながら学び、2年目には簡単な作業を任されるようになり、3年目には一定の責任を持った仕事を担当できるようになります。

このような段階的な成長は、短期間のインターンシップでは決して実現できません。3年間という時間をかけて、じっくりと技術を磨くからこそ、卒業時には即戦力として活躍できる実力が身につくのです。

人間関係の構築スキル

現場で働くということは、様々な人々と関わることを意味します。

上司からは仕事の指示を受け、同僚とは協力して作業を進め、時にはお客様と直接やり取りすることもあります。こうした多様な人間関係の中で、生徒は自然とコミュニケーション能力を磨いていきます。

特に重要なのは、失敗から学ぶ経験です。現場では、教科書通りにいかないことも多々あります。ミスをしてしまったときにどう対応するか、困難に直面したときにどう乗り越えるか。こうした経験は、座学では決して学べない貴重な財産となります。

キャリアの連続性による安心感

従来の教育では、高校卒業と就職の間に大きな断絶がありました。しかし、マイスター高等学院では、この断絶がありません。

生徒は入学時から同じ企業で働き続けるため、職場環境や仕事内容に既に慣れています。卒業後に新しい職場で一から人間関係を築き直す必要もなく、スムーズに正社員としてのキャリアをスタートできます。

この連続性は、精神的な安定にも大きく寄与します。将来への不安が少ないからこそ、目の前の学びに集中でき、充実した高校生活を送ることができるのです。

おわりに:未来を掴むための実践的訓練の場として

マイスター高等学院の3年間の有期雇用契約は、単なる労働契約ではありません。それは、高校時代にプロとしての専門性と実務経験、そして安定したキャリア基盤を築くための、戦略的な訓練期間です。

私たちが提供しているのは、「学ぶ場」と「働く場」を統合した、全く新しい教育のかたちです。生徒は収入を得ながら技術を磨き、人間力を育て、社会に貢献する企業の一員として成長していきます。

そして、その成長を支えるのが、第三者評価を受けた未来創造企業との提携であり、透明性の高い運営体制です。私たちは、生徒一人ひとりが安心して学び、働き、将来に向けて確実に前進できる環境を提供することに、全力で取り組んでいます。

新しい教育モデルだからこその不安もあるかもしれません。しかし、だからこそ、私たちは一つひとつの実績を丁寧に積み上げていく決意です。2026年4月には第一期生が卒業を迎えます。彼らが社会に出て活躍する姿が、この教育システムの価値を証明することになるでしょう。

もし、お子様の将来について、従来とは違う選択肢を検討されているなら、ぜひ一度、マイスター高等学院にお問い合わせください。個別相談では、より詳しいシステムの説明や、実際の現場の様子をご紹介することができます。

お問い合わせは、お電話(078-381-5884)またはメールにて承っております。また、未来創造企業について詳しく知りたい方は、一般社団法人未来創造企業研究所(JFR)のウェブサイト(https://jfr.or.jp/about)もご参照ください。

私たちマイスター高等学院は、日本の未来を支える人材を育成するという使命を胸に、これからも生徒一人ひとりと真摯に向き合い続けます。

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